乃木坂46「命は美しい」歌詞考察。どんな命が美しいのか | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

乃木坂46「命は美しい」歌詞考察。どんな命が美しいのか

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乃木坂46「命は美しい」は、11枚目のシングルとして、2015年春に発売されていました。作詞は秋元康さん。

また、セカンドアルバム「それぞれの椅子」(2016)の収録曲でもあります。SKE48 からの交換留学生として、松井玲奈さんが参加していました。

そして、美しいと思える命はどんなものでしょうか。

歌詞考察


小さな命を美しいと思える感情が幸せ

命が美しいと思った経験はないですが、そう思うタイミングは想像できます。例えば、難病もののドラマに感情移入できれば、共感しやすいと思いました。余命を宣告された主人公と恋人が定番です。限りある命だから、美しいという意味が「命は美しい」にあると考えました。

月の雫を背に受けて一枚の葉が風に揺れるその手放せば楽なのにしがみつくのはなぜだろう?何のために生きるのか? 何度問いかけてみても空の果てまで暗闇が黙り込む

これは、冒頭の歌詞ですがいきなり、一枚の葉が揺れています。脳裏にドラマのワンシーンが掠めました。余命幾ばくもない主人公が病室で横たわっていて、そこから見える景色に一枚の葉があるのです。一枚しかない葉が落ちたら、命が尽きると考えているのでした。なぜこのように、自分の命を葉っぱに投影したのでしょうか。

雨や風に耐えた葉っぱが色づいて落葉する様が人の一生に重なるからです。「命は美しい」の主人公が一枚の葉に投げかけた問いは、何のために生きるのか? でしたが答えは見つかりませんでした。ますます「命は美しい」の主人公が、入院している患者に思えてきます。そのように考えて、次の歌詞の背景を探りました。

命は美しい初めて気づいた日からすべてのその悲しみ消えて行くんだ永遠ではないもの花の儚さに似てその一瞬一瞬が生きてる意味

主人公が「命は美しい」と気づいた日というのはどんな日でしょうか。ベタで定番な推測であれば、余命を宣告された日だと思いました。そして、「花の儚さに似ていて永遠ではないもの」と言ったら、その「美しいと感じた命」と言えます。

自分の存在を認めているのでした。悲しみが消えて行くと表現されていますから、主人公は残酷な運命を受け止めたと感じます。そして、なぜ主人公は前向きで強いのでしょうか。その答えは次の歌詞にあると思いました。

何のために生きてるか? 答え見つからなくって目の前にある真実はひとつだけそれが幸せだと教えられるよりも足元に咲いた花を見つけろ!

人間誰しも、辛い状況は訪れます。そんな時になぜこんな目に遭うのかと思っても、その答えは見つかりません。それと同様に、「命は美しい」の主人公が余命を宣告されたと仮定した場合、残りの限りある人生に意味があるのかという疑問は湧いて当然です。

その疑問の答えが見つからなくても絶望する必要がないという歌詞になっているのでしょう。そして、絶望する暇があったら、足元の花に気づくべきだということになります。そして、その花を美しいと思えることが幸せなのだと解釈しました。

終わりに・・・自分なりの幸せを探す


「命」を「大事にしているもの」と考えれば、主人公が大事にしているものは何だったのでしょうか。それは、足元に咲いた花を見つけろ! という歌詞からわかります。自分なりの幸せは足元に転がっているということですから、主人公は、足元の花を美しいと思える感性を大事にしているのでした。

それは「身の程を知る」ことによって、自分の置かれている立場をわきまえているから、足元の花を美しいと思えるのです。「身の程を知る」ことによって花の命が美しいと思えるのだというメッセージを感じました。 終わり