【歌詞考察】乃木坂46アンダー曲「生まれたままで」。タイトルの真意とは | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】乃木坂46アンダー曲「生まれたままで」。タイトルの真意とは

歌詞の意味を考察・・・タイトルの意味を考える


生まれたままの無欲な人間であれば、他人を羨んだりしない

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冒頭の歌詞から、夕焼けに染まったコンビナート地帯は燃え尽きた何かが、と始まっています。

「僕」の心境が、夕空に反映されていると思いました。

彼は、心が折れかかっていて、燃え尽き症候群に陥っているのではないでしょうか。

次の歌詞からも、「僕」が鬱屈した日常を過ごしていることがわかります。

生まれたまま ずっと何も欲がなければ 世界は素晴らしい 競い合うことも嫉妬することもなかったさ

「僕」が、ネガティブな気持ちに支配されている理由は、競争に負けたからだと思いました。

だから、夕焼けを見ても、癒やされないのです。「僕」の目に映る世界は、汚れていると思いました。

そして、世界が汚染されているのは、欲深い自分のせいだと思い至ったのです。欲がなければ、競争することもなく、負けることもないでしょう。

負けることが無ければ、嫉妬をする必要もありません。そんな精神状態で、眺める世界は素晴らしいだろうと「僕」は考えているのです。

だから、タイトルの意味は、生まれたままの真っ白な心へ戻りたいという「僕」の願望だと思いました。

つぎの歌詞は、「僕」の見る世界が汚れている理由だと感じます。

望み少ないあの夢学校辞めたことは今も後悔していない 問題なのは あまりに長い命の残り 

将来に大きな期待を寄せて、学校を辞めていました。しかし、現実は甘くなかったのでしょう。

悔やみはしなくとも、同世代に遅れを取ったことは間違いありません。そのことが心に影を落としていると思いました。

夜の飲み屋街

就職するという現実的な判断をするには、年を取り過ぎたという思いが、「僕」にあるように感じます。

そんなネガティブな気持ちのまま、長い余生を送るのは辛いということで、あまりに長い命の残り という表現になっていると考えました。

「僕」が、実現の可能性が低い夢を追い続けている間に、同世代の人間が就職していれば、彼らは着実にスキルアップをしているはずです。

夢を追いかけなければ、「僕」は、同世代に遅れを取らなかったことになりました。

つまり、生まれたままの無欲さであったなら、夢を追いかけることも、他人を羨むこともないという解釈になります。

終わりに

夢を追いかけて学校を辞めたにもかかわらず、「僕」は、何も掴めませんでした。

だから、世界が淀んでいるのです。ですが、彼は、前向きな人間ではないかと感じる部分もありました。

それは、次の歌詞でした。

母親の化粧は 涙の跡を隠してる 誰かのせいにはしない 運のせいにもしない 大事なものが少ないほうが楽だと思う

母親は、誰かを妬むようなことはしない人間なのでしょう。そんな彼女から、「僕」は、若かりし自分が選んだことで生じた結果を、受け止めていると思います。


「生まれたままで」■
乃木坂46アンダー曲「生まれたままで」は、2014年春に発売された8枚目のシングル「気づいたら片想い」の収録曲になります。

歌詞は秋元康さん。歌唱メンバーは、センターの伊藤万理華さんを含めた16人のアンダーチームでした。