【歌詞考察】日向坂46『窓を開けなくても』。なぜ『扉』ではなく『窓』なのか | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】日向坂46『窓を開けなくても』。なぜ『扉』ではなく『窓』なのか

歌詞の意味を考察・・・なぜ『扉』ではなく『窓』なのか。


窓は、自然光と希望の光を通す


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『窓を開けなくても』の主人公は、雨が降っていて窓を開けることができないのでしょうか。

次の歌詞があることから、タイトルにある『窓』を、心の窓と考えたほうが良さそうです。

君は目の前の夢の場所に落胆してしまったんだろう愚かだ
今はできなくても未来ならできるかも諦めちゃダメだ

上の歌詞で「君」が夢を思い浮かべていることが理解できました。しかし夢を叶えることができず「君」は落胆しています。

ここで、なぜ『窓』を用いたのか?と疑問を抱きます。扉を開けることができなければ光は差し込まず、未来が見えないというイメージが描きやすいでしょう。

扉ではなく『窓』と表現した理由が次の歌詞で分かりました。

どんな頑ななガラス窓も太陽と希望の光は届くよ

確かに、扉であれば部屋に太陽光が差し込むことはありません。そのまま暗い空間で過ごすことになって、夢を諦めていく可能性が高いです。

ですが、夢が叶わずに落胆しても、常に『窓』を通して夢を意識していれば、やる気が漲る瞬間が訪れることが期待できました。

窓

そうすると、無気力で横になっていたとしても、上体を起こします。そして、窓を開ける気力が湧いてきて、夢に手を伸ばすことでしょう。

だから、今はできなくても未来ならできるかも諦めちゃダメだ、という表現になっていると考えました。

それは言い換えれば、心の『窓を開けなくても』諦めないことが大事だということになります。

そして、その心の窓から、【ジョハリの窓】を思い出しました。


ジョハリの窓
①開放の窓・・・自分だけでなく、他者も知っている自分。⇒特定の趣味を明らかにしていて、その話題が上がるとテンションが上がる、など。

②盲点の窓・・・他者が分かっていて、自分が気づかない自分。⇒普通にしているつもりでも、不機嫌に見られてしまうなど。

③秘密の窓・・・自分しか知らない自分。⇒人と話すのが億劫であるなど。

④未知の窓・・・他者も自分も知らない自分。⇒未経験の分野でもセンスが認められる可能性が高い、など。


この【ジョハリの窓】を踏まえると、『窓を開けなくても』の「君」は、【盲点の窓】が大きすぎたのではないか?と感じました。

自分の夢が大きすぎることに気づいていないのが自分だけであれば、それも【盲点の窓】が大きいと思ったからです。

そして、『窓を開けなくても』の主人公は、「君」の未知の窓に期待しているのでしょう。

だから、窓を開けなくても どこへでも行けるんだ目を閉じてごらん 感じるはずさ 風が吹いているよ胸の(胸の)奥に遠くの夢が見える、という歌詞になっているのだと感じました。 終わり

■窓を開けなくても■
『窓を開けなくても』は、日向坂46の4枚目のシングル「ソンナコトナイヨ」(2020/02)の収録曲でした。歌詞は秋元康さんです。