【歌詞考察】欅坂46『砂塵』。砂塵は何を表しているのか | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】欅坂46『砂塵』。砂塵は何を表しているのか

 砂塵は、「僕」が「君」に抱いていたネガティブな印象

Amazon Music/欅坂46『砂塵』

『砂塵』には、「君」と言葉を交わしたことで、恋に落ちた「僕」の恋心が描かれていました。

砂塵は、会話を交わす前の『君』に勝手に抱いていた『僕』のネガティブなイメージということになります。

次の歌詞で、砂塵がどういうものなのか理解できました。


・心が変わってく瞬間に 静かな風が含んだ過去の何かが散らばり ざわざわすることを知った

・初めて話した君は 遠くのイメージと違った 気さくなその微笑みに 勝手に惹かれたんだ

・いろんな先入観で誰もが思い込んでしまう君ってどういう人か 僕にもわかったんだ


「僕」が「君」を遠くから眺めていた時は、ネガティブな印象しか持っていないことが分かります。

「君」の顔が整っていて、クールな印象でも持っていたのではないでしょうか。

そんな彼女が、声をかけて人懐こい笑顔をしたものだから「僕」は恋に落ちたに違いありません。

いわゆるギャップ萌えでしょう。遠くから眺めている時に抱いた印象が、剥がれた瞬間でもあります。

その剥がれた印象が、砂塵であると解釈しました。

砂塵は、パブリックイメージとも言える

『砂塵』は、パブリックイメージといった芸能人に対する印象も当てはまると思いました。

(※パブリックイメージ ⇒ 広く一般に認識されているイメージ)

例えば、2020年の初頭に欅坂46を脱退した平手友梨奈さん。

私が、欅坂46を知ったきっかけは、「ガラスを割れ!(2018)」でした。

この楽曲で、平手さんにクールな印象を持ちました。

また、「ガラスを割れ!」が発売された2018年は、彼女に対するバッシングが酷かったように記憶しています。

うつむき加減で笑わなかったからでしょう。精神状態を心配する声も上がっていました。

そういった平手さんに対して持った<笑わない>という印象も、パブリックイメージと言えます。

そのイメージでファンになった人もいれば、素の平手さんを知ってファン化した人もいることでしょう。

平手さんは、2021年1月公開予定の映画「さんかく窓の外側は夜」に、ヒウラエリカ役として出演します。

共演者の志尊淳さんのツイッターを見ると、平手さんに対して持った<笑わない>というパブリックイメージが、砂塵と化します。

そういったことで、砂塵は、ギャップ萌えの痕跡だと解釈しました。

まとめ

  • 主人公の「僕」は「君」に話しかけたことで、ネガティブな印象が崩れて好意を持った
  • いわゆるギャップ萌え
  • その崩れたネガティブな印象が、砂塵である
  • 砂塵は、パブリックイメージ
  • 平手友梨奈さんのパブリックイメージは<笑わない>
  • その<笑わない>というパブリックイメージが崩れた時、ファン化する

『砂塵』は、2020年10月に発売された欅坂46のベストアルバム「永遠より長い一瞬 ~あの頃、確かに存在した私たち~」TYPE-Aに収録されています。歌詞は、秋元康さん。