線香姉妹「302号室」歌詞考察 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

線香姉妹「302号室」歌詞考察

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302号室
線香姉妹(小林由依、土生瑞穂)によるユニット曲「302号室」は、2018年に発売された欅坂46の7枚目のシングルである「アンビバレント」TYPE-C に収録されています。作詞は秋元康さん。

今泉佑唯さんが卒業したということは、ゆいちゃんずの活動も停止したということになります。そして、小林由依さんと土生瑞穂さんによるユニット、線香姉妹が誕生しました。土生瑞穂さんは「302号室」の音源公開に合わせて、欅坂46公式サイトのブログで線香姉妹に言及しています。今泉佑唯さんが抜けた、ゆいちゃんずの代わりに、線香姉妹があるわけではないと、土生さんは言いました。

「302号室」のミュージックビデオの舞台は、木造の昭和家屋と呼ぶに相応しい一軒家でした。本当に住んでいるかのような姉妹に見えます。ドローンが一軒家の真上から部屋へ迫っていく映像は面白いです。蚊の目線といったところでしょう。


歌詞考察


金属疲労

歌詞には、引っ越しのトラック、とか二年間の想い出という言葉があります。このことから「君」と「僕」が一緒に生活していた部屋が「302号室」とわかります。ミュージックビデオでは木造の一軒家なのに、なぜタイトルが「302号室」なのか、疑問があります。そういったことはスルーしないと先に進めないので、歌詞を追います。

金属疲労みたいに恋だって終わるんだ、とありますから、具体的な別れの理由がわからずじまいです。のら猫ひろしは、力学的なことに関してはわかりませんが、おおざっぱに捉えれば、応力が一点に集中して強度が低下してしまったというのが金属疲労でしょう。

ここで、応力を恋愛関係に関係するものに例えれば、相手に対する配慮が足らなかったということになります。感情の赴くままに、それを相手にぶつける人であれば、距離を置いてしまいますから恋愛関係が終わるのは必然ですね。

ただし、「302号室」の「君」と「僕」が感情的な人間というわけではなさそうです。だけどどっちがいけなかったか誰も審判できない、とあります。これは、どちらかが負のチカラを一方的に加えたのかを言いたいのではないのですね。金属疲労は、亀裂が走るまでは異常に気づけませんから、いつの間にか関係に亀裂が走っていたことを言いたくて金属疲労を用いたのです。亀裂が走ってから振り返れば、思い当たる節は見つけられるでしょう。そういった意味で「302号室」は当事者しかわからない世界観になっています。


当事者しかわからない

当事者しかわからないというと、乃木坂46ユニットの、からあげ姉妹(生田絵梨花さん、松村沙友理さん)の「無表情」が連想されます。だって真実は当事者だけのものあれこれ言われたくないんだ、という歌詞でした。恋をしているのを悟られたくないという強がりを歌っています。こちらは恋心を悟られることで友達の関係が終わるのを危惧しているように思われます。そして線香姉妹が歌う「302号室」にも、だってホントは強がり言って涙堪えてたんだろう、という歌詞があります。これも、恋人の関係を続けたいがための強がりという意味でしょう。

終わりに


「無表情」のミュージックビデオを監督したのは、月田茂さんです。この方は、線香姉妹の名付け親であり「302号室」の映像監督でもあります。だから、恋愛関係における当事者しかわからない世界観が共通しているのでしょうか。  終わり