乃木坂46ユニット曲「私のために誰かのために」歌詞考察。返報性の原則が働いた | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

乃木坂46ユニット曲「私のために誰かのために」歌詞考察。返報性の原則が働いた

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私のために誰かのために
乃木坂46ユニット曲「私のために誰かのために」は、2015年に発売されたファーストアルバム「透明な色」に収録されています。

また2013年秋に発売された7枚目のシングル「バレッタ」の収録曲でもありました。作詞は秋元康さん。

歌唱メンバーは衛藤美彩・川村真洋・桜井玲香・白石麻衣・高山一実の5人です。


歌詞考察


目的を表す「○○のために」

タイトルが、「○○のために」とあります。○○は、原因か目的を表しますから、タイトルの前半部分である「私のために」は、原因であれば、私のせいで何かが起こっていると考えられます。また目的であれば、私のために何らかの行動を起こしてもらっているというニュアンスを感じました。

タイトルの後半は「誰かのために」となっています。こちらも、誰かのせいで何かが起きたとか、誰かのために行動を起こしたのだろうかと想像してしまいました。

原因を意味する「○○のために」であれば悲壮感が漂う世界観になりますし、目的を表す「○○のために」であれば、○○を思っての行動になります。後者の目的の方が心理的に温かそうな世界観になりそうです。「私のために誰かのために」はどのような世界観でしょうか。

私のために歌ってくれた胸に染みるあの日の歌空の下で風に向かいさあ今度は誰かのために・・・

冒頭の歌詞は、このように始まっていました。私のために歌ってくれた・・・さあ今度は誰かのために・・・となっていますから目的を表す「○○のために」という形になっていることがわかります。誰に歌をプレゼントして貰ったのかわかりませんが、確かなのは、この歌によって「私」は心理的な温かさを感じたのでした。そして、慈悲深い気持ちになった「私」が誰かのために歌うのです。「私」が歌ったのは誰に対してでしょうか。

俯いたら誰にも聴こえて来るだろう・・・悲しみに暮れたあなたに歌いかける・・・ああ心が癒えたら立ち上がって考えればいい自分にできること・・・名も知らない顔も知らない会ったことのない誰かのために・・・

「私」は、会ったこともなく名前も知らない誰かに歌いかけているのでした。そして、心が傷つき悲しみに暮れていた人が、歌いかけられたことで元気になることを期待しているのです。

終わりに


何かをしてもらうと人は、お返しをしたくなってしまいます。これを返報性の原則と言いました。いわゆるギブアンドテイクというものです。主人公の「私」は歌によって傷ついた心が癒えた時に、返報性の原則が働いたのでしょう。最近ではスリランカなどで起きたテロのような哀しい報道がありました。こういった報道に接するたびに「私のために誰かのために」のような世界を切望してしまいます。 終わり