乃木坂46「傾斜する」歌詞考察。片思いで精神が安定しない「僕」 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

乃木坂46「傾斜する」歌詞考察。片思いで精神が安定しない「僕」

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乃木坂46「傾斜する」は、2015年に発売されたファーストアルバム「透明な色」の収録曲でした。作詞は秋元康さん。

AKB48の小嶋陽菜さんが参加した楽曲で知られています。




歌詞考察


恋が実らなくてメンタル不安定な「僕」

傾斜は傾きです。ということは何が斜めになっているのだろうかという疑問が湧きますね。体が傾いているとか、心が斜めになっていると想像しました。タイトルから受ける印象から詞の世界観を想像すると、身体が傾くよりは、心が斜めになっているほうがしっくりきます。例えば、ご機嫌斜めだねとかよく聞く言葉でした。なので、「傾斜する」の主人公は、機嫌が損なわれているのかなと想像します。

傾斜する僕の心の角度その愛しさが少し重くて・・・なぜ君は僕の前現れたのか?それは残酷な出会いさ

この歌詞からでも、主人公が「傾斜する」理由がわかります。「僕」の前に現れた「君」との出会いが残酷と感じているからでした。愛しさが重いとあるのは、「君」への愛しさを持て余しているからでしょう。なぜ、持て余すほどの愛しさを持たせる「君」との出会いが、残酷なのでしょうか。

後から知ったんだ君に彼がいること友達で始まった2人の関係の崩壊・・・

愛おしさが重くて「君」との出会いが残酷なのは、彼女に彼がいるからでした。つまり、「僕」は「君」に恋しているのです。しかも、実らない恋でした。

実らない恋と知っている「僕」はどのような心境でしょうか。

なぜ僕はごく自然に振る舞えないの?きっと遅すぎた事実だ僕の知らない君の存在がつらいもしも距離置いてたら楽だったのに・・・So sad・・・

叶うことのない「君」への愛しさが、「僕」にとっては重荷だということで、なぜ自然に振る舞えないのか?という表現になっているのです。自然な振る舞いというのは、友達としての「僕」を演じることでしょう。そして、友達として接することができないのは、彼に見せる「君」の表情を想像してしまうからだと思いました。

距離置いてたら楽だったというのは、彼がいることがわかっていたら「君」に近づかなかった、友達になんかならなかったのにという後悔めいた表現だと考えます。「僕」は「君」と付き合いたくて、距離を縮めて友達になったのに本命は別にいたのですから、それは悲しいでしょう。

終わりに


「僕」は、彼がいることがわかった「君」に、友達として振る舞えない自分を蔑んでいるように感じました。

傾斜する何か滑り落ちてく大切なものさりげない好意僕は僕じゃなくなる

意中の人に振り向いてもらえないとわかった時の態度に人間性が現れます。友達として振る舞えなくても、一歩引いて「君」の恋を見守るか。それとも、奪い取るか。こういった葛藤で、「僕」は理性を保てなくなることを恐れて、僕じゃなくなるという歌詞になっていると思いました。 終わり