乃木坂46アンダー曲「自由の彼方」。旅立った君へ | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

乃木坂46アンダー曲「自由の彼方」。旅立った君へ

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乃木坂46アンダー曲「自由の彼方」は、2015年に発売されたファーストアルバム「透明な色」の収録曲でした。作詞は秋元康さん。






歌詞考察


「君」は「自由の彼方」へ飛び立った

彼方は、むこうとかあっちというように遠く離れた場所を示す際に使われていますね。しかも、ちょっとやそっとでは辿り着けないような遥か先にある場所というイメージがありました。何か巨大なものに遮られて視認できないなどです。そして、彼方は方角を示す以外にも使われました。例えば、「忘却の彼方」は簡単に思い出せないほどの過去を示しています。

その彼方が自由というのはどういうことでしょうか。まず思い浮かんだのが自分に関して言えば、残業が続いて帰れない時に抱く願望としての「自由の彼方」であったり、残業から解放されたくて仕事を辞めた結果陥ってしまった「自由の彼方」です。後者の「自由の彼方」は経済的弱者を意味しました。逆に経済的に成功して「自由の彼方」にいると解釈できます。金銭的にも手の届かないくらいの成功を収めたということで雲上人とも言えました。

ですが、乃木坂46の楽曲で金銭的成功を世界観とすることは考えにくいでしょう。何かに縛られて身動きが取れない主人公で、そこから眺めているのが「自由の彼方」となっていると思いました。逆に、主人公が、誰かを束縛していてその人が「自由の彼方」へ消えてしまったということも考えられます。

ねえなぜ鳥は逃げた? 締め忘れたあの窓からねえなぜ嫌われたの? 優しくしていたのに僕たちは肩寄せあい生きてきたこの世界で全てのものが神の恵みって信じてきた

この冒頭の歌詞で、主人公の「僕」は誰かに逃げられてしまって落ち込んでいることがわかります。恋人が、鳥のように羽ばたいて逃げてしまったという落胆でしょうか。そうなるとタイトルの意味は、「自由の彼方」へ飛び去った恋人ということになります。そして、なぜ嫌われたの? とありますから、取り残された「僕」は落胆していることがわかります。

恋人に取り残された「僕」はどうなったでしょうか。

ありふれた愛じゃ君は満たされはしないのか? 平凡な日々は退屈だと思ったか? ねえ今どこにいるの? 強がる翼を傷めて・・・ありふれた愛がいつか真実だってわかるそんな言葉を投げかけても空の鳥に聞こえないねきっと自由の彼方

「君」が「自由な彼方」へ飛び去ったのは、平凡な「僕」に満たされないからでした。そういったことをわかった上で、「僕」は、「君」を心配しています。平凡な日々こそ幸せだと「君」に言いたくても届かない現実に「僕」は心を痛めているのでした。

終わりに


確かに、人間は苦しい状況にあると「自由な彼方」を求めて、現実逃避しがちです。もしかしたら、「君」はこの世にいないのではないかとも思いました。「君」は「僕」から離れたどこか遠くの彼方へ行ったのではなくて、この世に嫌気が差してしまったという不吉な想像です。なぜそのように考えたかというと、次の歌詞があったからでした。

淡々と日々は過ぎてやがて人は誰も老いていくんだ(命)ここから見える小さな空も素敵な人生と知る  

小さな空は「君」と一緒に眺めるから意味があるということでした。ですが、「僕」は「君」が旅立ってしまった「自由の彼方」へ辿り着くことができないのです。そういった切なさがありました。 終わり