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乃木坂46ユニット曲「醜い私」は、３rdアルバム「生まれてから初めて見た夢」(2017)に収録されています。歌詞は秋元康さん。歌唱メンバーは、衛藤美彩・斉藤優里・新内眞衣の３人でした。
醜いと言っても色々な意味合いがありました。
・顔を歪めて喚き散らす人の表情が醜い。
・法定相続人の範囲を無視するといった、骨肉の争いにおける卑しい意味での醜さ。
顔が歪んでいれば、見た目が美しくないから醜いと感じます。
そして、骨肉の争いにおける醜さは、心が汚いと言えました。
「醜い私」は、外見に焦点を合わせていれば、容姿に悩む主人公を想像します。
そして、心が汚いということであれば、主人公は卑しい人間ということでしょう。
歌詞には、モラルのない恋、という表現がありました。
モラルのない人間は、心が汚れていることになります。
ということは、タイトルの「醜い私」は、モラルのない恋をする私と言い換えることができました。
「私」には、どのようなモラルが欠如していたのでしょうか。
歌詞考察・・・モラルのない恋とは何か？
恋人がいる異性と一線を越えた
モラルのない恋とは何でしょうか。それがわかる歌詞は次の表現です。
一線を越えてしまった・・・人生でたった一度過ちを修正できるなら 彼女がいることを知ってた事実
「私」は、「あなた」に彼女がいることを知っていながら、彼と一線を越えてしまいました。
確かに、恋人がいる異性と一線を越えることは、モラルのない恋です。
だから、「私」の心が卑しいということで、タイトルが「醜い私」になっているのでした。
さもしい「私」を表現している歌詞は他にもあります。
もし今もバレなかったら 泣きながら笑って抱かれてる 世界で一番醜い私
世界で一番醜い私ということですから、モラルがないという自覚はあるようでした。
バレなかったら、彼女がいる「あなた」と関係を続けていたということです。
そんなことを考える「私」を自虐的に、世界で一番醜い私と言ったのですね。
さらに、気になった表現がありました。それは、次の歌詞です。
あの夏服はクリーニングにずっと出したまま だって洗っても偽りが染み込んでいるでしょう
「私」が何に偽りを感じたのか疑問に思いました。
「あなた」と一線を越えた「私」は、彼の本命ではありません。
本物ではない存在ということで、「私」は自分のことを偽り者だと言っているのでしょう。
また、モラルのない恋は、本物の恋ではないという解釈ができました。
となると、次の歌詞のような矛盾的な表現になっている理由がわかります。
もし 今もバレなかったら 泣きながら笑って抱かれてる 世界で一番醜い私
「私」は「あなた」との偽りの恋には納得していません。
関係が続いていたとしても、本命でない事実は哀しいのです。
だから、隠れて「あなた」と逢瀬を重ねても、泣きながら抱かれているだろうと想像する「私」がいます。
さらに、彼女がいる「あなた」との出会いに後悔をしていない「私」でした。
なぜなら、つぎの詞があったからです。
人生たったひとつ 後悔を誰かに聞かれても あなたとの出会いなんて思えない
だから、「私」は、バレなかったとしても、笑いながら抱かれているだろうと考えたのではないでしょうか。
「あなた」から見た「私」は、二番目の存在です。哀しさが感じられました。
そして、本命ではない「私」でも「あなた」と繋がれた喜びも書かれているのです。