【歌詞考察】欅坂46 平手友梨奈「角を曲がる」。らしさとは何だろう | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】欅坂46 平手友梨奈「角を曲がる」。らしさとは何だろう

歌詞の意味を考察・・・らしさとは


無理に微笑まない

amazon はこちら
気になる歌詞がありました。

らしさって一体何? あなたらしく微笑んでなんて微笑みたくない そんな一瞬(とき)も 自分をどうやれば殺せるだろう?

この歌詞には、ネガティブな感情が、まとわりついています。感情労働という言葉を思い起こしました。

感情労働は、社会学者のホックシールドが提唱したものです。職業上の任務として、相応しい態度や表情を必要とされる仕事という意味がありました。

平手さんほど、感情労働を求められやすい人間はいないでしょう。

そして、感情労働の問題は、歌詞を借りれば微笑み無くないのに微笑むことで自分を無くしてしまうことにあります。

ファンに対する表情の演出が、精神的なダメージを招くと言えました。感情が伴わない笑顔を作り続けることによって、ストレスが生じるのです。

このストレスの問題は、違和感が原因だと思いました。その違和感が、微笑み無くないのに微笑むことなのです。

デビュー時の平手さんは、笑顔が多いという印象でした。

そんな彼女が、笑顔を見せなくなったきっかけは、2017年の不協和音の握手会事件と言われています。

20代の男が、発煙筒や刃物を持ち込んだ事件でした。十代で、命を狙われる経験は酷だと思います。

だから、微笑んでなんて 微笑みたくない、という歌詞が、平手さんの心境そのものだと感じました。

フォトスタジオ

不協和音の握手会事件があってもなお、無理に笑い続ければ、自分を無くすことになります。

感情労働の被害者にもなり得ると感じました。だから、無理に笑顔を作らなくても良いのです。

6枚目のシングル「ガラスを割れ」(2018)の平手さんは、山口百恵さんのようだと思いました。

笑顔を見せない演出にも効果があるから、のら猫ひろしは欅坂46のファンになったのです。

無理に微笑まなくても、平手さんらしさが伝わってくると思いました。

終わりに

平手さんに、感情労働で疲弊しているような印象を持っています。だから、微笑んでなんて 微笑みたくない、という歌詞に共感を覚えました。

感情労働のストレスが引き起こす最悪の事態は、卒業だと思います。

日向坂46 柿崎芽実さんが卒業しました。

報道によると、引退セレモニーでストーカー被害を語っていたようです。

それが本当ならば、柿崎さんは不届き者に対する感情労働で、自分を無くしたことになりました。

柿崎さんは、微笑んでなんて 微笑みたくない心境にあったのでしょう。

みんなが期待するような人に絶対になれなくてごめんなさい、という歌詞に、身につまされます。 終わり


■角を曲がる■
欅坂46 平手友梨奈ソロ曲「角を曲がる」は、彼女が主演を務めた、2018年公開の「響ーHIBIKIー」の主題歌でした。

アリーナツアー千秋楽のアンコール(東京ドーム)で、披露されたり、ミュージックビデオが公開されるなど根強い人気を感じさせる曲です。

歌詞は秋元康さん。