【歌詞考察】欅坂46『Deadline』。楽曲に込められたメッセージ | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】欅坂46『Deadline』。楽曲に込められたメッセージ

希望を失っても、休み休み生きるのだ

キャンプ


タイトル『Deadline』には、超えてはならない線、最後の限界線、死線、締め切りといった意味がありました。

次の歌詞を踏まえると、Deadline は、最後の限界線や死線という意味に取れます。〈命を大切にしなさい〉というメッセージを感じました。

色鮮やかな旗 靡(なび)かせて 僕らが目指す理想を掲げてる

いくつの夜 真っ暗な時間(とき)が過ぎれば 獣たちの遠吠えに怯えない?

明日(あす)へ

このまま歩くんだ 絶対 立ち止まらない このまま向かうんだ 命は神が与えた Deadline

それでも歩くんだ 希望を見失っても それでも信じるんだ 命を引き継ぎながら Eternity


特に、色鮮やかな旗獣たちの遠吠えといった表現に共感を覚えました。

主人公「僕」がなびかせている色鮮やかな旗を、自分なりの目標に置き換えることができます。

誰しも、成し遂げたい未来を思い描いたことはあるでしょう。

受験生であれば、<難関校合格!>の旗を立てます。

フリーランスであれば<月収100万円!>の旗をはためかせているようなイメージです。

そして、彼が怯えている獣たちの遠吠えは、その目標に否定的な反応を示す人間と言えました。いわゆるドリームキラーですね。

模試の偏差値が悪いのに難関校に受かるわけないだろう。在宅ワークで月収100万円?無理無理。

こういった否定的な言動は、まさに獣たちの遠吠えで、ネガティブな気分になります。

自分で自分の命を絶つという痛ましい報道があります。

それを見聞きすると、色鮮やかな旗が折れてしまったような印象を持ちます。それを降ろして休憩を取ることはできなかったのかと考えさせられます。

そんなことを思ったので、『Deadline』に、希望を失っても生きるのだというメッセージが込められていると感じました。

終わりに

希望を失っても、生きるのだというメッセージ性を感じましたが、決して立ち止まるなということではありません。

時には休もうか?そんなに強くなれない 時には泣けばいい それから また立ち上がれという歌詞から、時には一時的に旗を降ろせばいいのだという意味を汲み取れました。

そうしないと、Deadline(死線)を彷徨うという本末転倒の結果に終わってしまいます。

最近の痛ましい報道に、大阪の梅田にある商業施設ヘップファイブで起きた事故があります。

10階建ての屋上から男子高校生が飛び降りて、19歳の女性に衝突した事故でした。女性は亡くなっています。

彼女は、たまたま、その場にいただけでした。完全に、巻き添えで不憫です。

もちろん、男子高校生が取った行動の背景を知りません。彼なりに立てた目標が、くすんでしまったと想像できますが、それを一旦脇に置いて休むことはできなかったのかと残念でなりません。  終わり


『Deadline』は、欅坂46のベストアルバム「永遠より長い一瞬 ~あの頃、確かに存在した私たち~」TYPE-Bに収録されています。

歌詞は、秋元康さん。

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