日向坂46「ノックをするな!」歌詞考察。ドン底の経験が必要な理由 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

日向坂46「ノックをするな!」歌詞考察。ドン底の経験が必要な理由

歌詞の意味を考察


ドン底の経験によって、生きる意味がもたらされる

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 「ノックをするな!」と言いたくなる時は、誰しもあるでしょう。

恋人に振られて、失意のドン底にいる時などです。

あんなに、笑顔を振りまいてくれたのに、他に好きな人ができたと言われたことがありました。

その時の精神状態は、最悪です。会話する気力が削がれました。

自分とコミュニケーションを図ろうとする人間が煩わしく感じてしまうのです。

なので、失恋ではなくとも「ノックをするな!」の主人公はネガティブな出来事があったのではないかと想像します。

歌詞を見ると、主人公を消極的な気持ちにさせた出来事は書いてありませんでした。

ただし、次の歌詞で、主人公が誰とも顔を合わせたくない気持ちでいることが、分かります。

誰にも会いたくない 面倒なだけだ 話すことなんかないよ さあ帰れ!

主人公が、帰れ!と言っている相手は誰なのでしょうか。失恋であれば、主人公を振った人物と言えそうです。

ですが、歌詞に、ノックをする奴 どこのどいつなんだ、とありますから特定の誰かというわけではありませんでした。

新聞の勧誘ではないかと思いました。

また、メンタル 今日は不安定だ、とか、絶望とは 望んでいない未来が近づくこと、という歌詞があります。

いづれにしろ、精神的に追い詰められているように思えて、放って置くと危険だと感じました。

ただ、この精神的に追い詰められる経験は、無駄ではありません。

見上げて撮った裸電球のモノクロ写真

哲学者のマルティン・ハイデガー(1889~1976)は、ドン底を経験するからこそ、未来が開かれると言いました。

経済的に成功する可能性などを考えたところで、それは曖昧なものです。

それに比べれば、自分はいつか、いなくなるという可能性の方が現実的でした。

もちろん、早くに亡くなる人もいれば、平均寿命を大幅に上回って長生きする人もいます。

ただ、人が老いていなくなるのは100パーセント確実でした。

ネガティブな出来事に遭遇して、この世からいなくなりたい願望が生まれると、確実に訪れる生命の終焉を意識せざるを得ません。

この時に、不本意な結果を自分で選んでしまう可能性は、もちろんあります。

ですが、ハイデガーは、命の残り時間を感知した時に、初めて芽生える感情があると言いました。

その感情が、将来への活力になる可能性があるのです。だから、ハイデガーは、ドン底の経験には意味があると言ったのでした。

終わりに

ハイデガーのドン底の経験には意味があるという言葉を踏まえると、「ノックをするな!」の主人公も、何かに気づく可能性が高いと言えます。

その主人公に芽生えた何かが、将来への生命力になる見込みであれば、ネガティブな出来事も無駄ではないことになりました。 終わり


■ノックをするな!■
「ノックをするな!」は、けやき坂46名義ファーストアルバム「走り出す瞬間」(2018)に収録されています。

作詞は秋元康さん。