【歌詞考察】日向坂46 上村ひなの 「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】日向坂46 上村ひなの 「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」

歌詞の意味を考察・・・好きでもないのに好きと言ってしまった理由


幸せの判断基準が、他人の評価になっている

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タイトルを思い出せない小説なのに、主人公が、みんなに一番好きな本だと言ってしまったのは、なぜでしょうか。

一番好きな小説と言うためには、心が揺さぶられたとか、腹を抱えるほどに笑った経験が必要でした。

そんな思い入れがある小説なのに、タイトルが思い出せないことがあるでしょうか。

「僕」が、好きな小説のタイトルを思い出せない理由が、歌詞に書いてありました。

他人から見える僕が どう思われたいかの口実だ 印象操作するように 知的でスタイリッシュなイメージが欲しいんだ

「僕」が、みんなに好きだと言った小説は、単にカッコつけたいだけで、口にしたタイトルでした。

そして、そのタイトルの記憶が薄らいでいく過程が、次の歌詞で表現されています。

僕がなりたい僕を追いかけても 腕をするりとすり抜けて どこか知らない場所へ消えてく

僕がなりたい僕は、知的な人でした。ですが、「僕」は聡明ではないのです。

人差し指で鏡に触れているモノクロ写真

だから、小説のタイトルを忘れてしまうのでした。

にもかかわらず、知的な人に見られたくて、世間的に評価が高い小説が好きだと言ったのでしょう。

それは、嘘をついたことになります。性悪な人間だと思ったのですが、次の歌詞にあるように「僕」は、苦しんでいました。

人はなりたい自分になれないから 思い悩んで いらだって 妥協しながら見栄を張るん

なりたい自分を追いかけるから苦しいのです。

世間体を気にして、好きでもないモノを好きということには、苦痛が伴いました。

だから、思い悩んでしまうと考えます。

「僕」は、知的に見える好きでもない小説のタイトルを好きだと公言することで、自分の評価を高めようとしているのでしょう。

自分に対する評価の基準が、他人からの賞賛になっているのです。

だから、好きだと嘘をついた小説のタイトルを忘れてしまうのでした。

終わりに

哲学者のミシェル・フーコー(1926~1984)は、自分らしく生きられない原因を、他人の目に求めています。

ということは、「僕」の中に、他人の目が内在化したことで、彼は好きでもない小説のタイトルを一番好きだと言ったことになりました。

知的に見られようとして、好きでもない小説のタイトルを言ってしまうことは、知性に欠ける行為です。

聡明かどうかは、人望と関係ありません。知的だからといって、信頼が集まるかと言えば、そうではないでしょう。

だから、「僕」に必要な行動は、他人の目を内在化しないことになります。 終わり


■一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルが思い出せない■
日向坂46 上村ひなの 「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルが思い出せない」は、2019年10月に発売の3枚目のシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」のカップリング曲です。

歌詞は秋元康さん。