【歌詞考察】乃木坂46「月の大きさ」。どんな種類の大きさか | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】乃木坂46「月の大きさ」。どんな種類の大きさか

歌詞の意味を考察・・・月に何を感じたのか


心の広がりを感じるような度量の大きさ

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月と言ったら、満月や三日月などをイメージします。その形や色によっては、心地よい美しさを感じるものでした。

しかし、タイトルが「月の大きさ」です。普段の生活で、月の大きさを考える人はいないと思いました。

だから、不思議に感じます。

主人公は、月の大きさに何を思っているのでしょうか。

今夜の月は なぜか一回り大きくて いつもより明るく照らす 背中を丸めて とぼとぼ帰る道

とぼとぼと帰らざるを得ないほどに、「僕」は落ち込んでいることがわかります。

そして、落ち込むと、自分の存在する意義を考えてしまい自分は、いてもいなくても良いと思い詰めがちでした。

寺尾聰さんが「ルビーの指環」で歌ったような、枯れ葉の重さもないほどに、ちっぽけな自分の命と認識してしまうのです。

そんな枯れ葉のような「僕」であれば、見上げた月は、とてつもない大きさだったことでしょう。

黄味を帯びた満月

見上げた巨大な月が、「僕」にとってどのような存在なのかが、気になります。問題は、月が大きいかどうかではありません。

「僕」の心の大部分を、月が占めていることは確かでしょう。

ただ、その心理的に大きい月は、散歩途中で出会ったヒグマのような、恐怖感を与える存在なのでしょうか。

それとも、空腹で行き倒れた旅人に、飲料水や食物を分け与えるような慈悲深さを湛えた月なのでしょうか。

どんな時も味方はいる 何も言わず泣けたらいいね

とぼとぼと背中を丸めてしまうほどに落ち込んでも、「僕」は、味方がいると考えています。

だから、大きな月を肯定的に見ていることになりました。

また、次の歌詞も、大きな月に対して、ポジティブな感情を抱いていることがわかります。

辛いことがあった時には 瞼を静かに閉じて 今日の大きな月を想って 迷ってる足元照らそう

「僕」は嫌なことがあった時に、大きな月が心の糧になっていることになります。

まるで、大きな月が照らし出す明かりを信じていれば、迷うことはないとでも言いたげな表現でした。

だから、「僕」がメンタルの調子を崩した時に見上げる大きな月は、彼にとってかけがえのない存在ということになります。

終わりに

落ち込んだ時の心理状態は、街灯がない夜道のようでした。前へ進むには、勇気を必要とします。

そこへ、進路が、大きな月に照らし出されれば心強いでしょう。それは、人の孤立感を紛らわす意味もあると思いました。

タイトルにある、大きさというのは、太陽系で5番目に大きいとか、そういうことではないのです。 終わり


■月の大きさ■
乃木坂46「月の大きさ」は、2013年の秋に発売された7枚目のシングル「バレッタ」のカップリング曲になります。

歌詞は秋元康さん。